初の能楽堂
夏はお能の閑散期というのが通り相場でした。しかし先週能楽堂に出かけた国立能楽堂だけの番組を見て驚きました。土日は勿論、一分平日、休日もほぼ埋まっています。
これも能楽堂が昔の能舞台と違って大きな建物の中にしっかり納まり冷暖房の効いた見所で観能できるからだと思います。能楽堂主催のお能の会はいつ来ても600席ほぼ満席です。
この事実は素晴らしいことです。多くのコアのファンがいるからでしょう。
能舞台が能楽堂へと切り替わったのはいつの事でしょうか。明治14年芝公園の中に日本で初めて建物に納まった能楽堂が建てられました。きっかけとなったのは明治になり幕府や各藩からの補助を受けていた能役者たちはそれらを断たれました。衰退の一途でしたが、海外視察に出かけていた岩倉具視が能楽社を作り芝公園内に初めて能楽堂を作りました。海外のオペラに匹敵する舞台芸術はお能と定められました。海外からの賓客や昭憲皇太后はじめ多くの皇室関係者がお出ましになりました。
この能楽堂は現在靖国神社内にあります。建物の中ではなく雨ざらしの状態ですが、能舞台と橋掛かりが残っていて今でも季節に応じ能舞台で靖国神社の行事が行われています。4月には夜桜能が行われています。
この建物の近くに桜開花の規準木があり、毎年桜の開花時期建物の一部が見られますが、運がいいとテレビの画面から謡が聞こえてきたりします。そんなことから私は開花時期にテレビを見るのが楽しみになっています。