四海波
お能の高砂の中にある小謡です。これは日本の周りは海で囲まれています。確かに東西南北
全て海です。その海が静かで平和な世の中を望みかつ実現させたい(天下泰平)と謡っています。
能舞台ではお正月などめでたい席で謡うことになっています。特に能楽師の先生方の結婚式には必ず四海波が謡われます。また、能五流の中では観世流の歌詞が他の流派とは異なっています。
最後のところです。
観世流 君の恵みぞ ありがたき 君の恵みぞ ありがたき
となっていますが
他の四流(金春流、金剛流、宝生流、喜多流)
君の恵みは ありがたや 君の恵みは ありがたや
と繰り返します。
能楽師の先生方の結婚式では四海波を謡うのが恒例となっているようですが、観世は勿論「君の恵みぞ ありがたき」と謡い、他の流派もある種遠慮があり、観世に合わせるようですが金春だけは大いに声を高くして「君の恵みは ありがたや」と歌うことで金春ここにありを示すのだそうです。
こんなところにも五流派の性格が表れている気がします。
明日はインパックの守重信乃さんの結婚式がありますが、この四海波を謡ってきます。本人は大分嫌がっていましたが、押し通してしまいました。
まるで金春の様です。