自由な想像力
お能の特徴の一つは舞台上にはほぼ何もないといったとことでしょうか。見る側の想像力が問われる舞台だともいます。今月一度歌舞伎座に参りましたが、これでもかといった具合に舞台が移り変わり、驚くほどの精巧さで舞台が作り出されます。見る側は話の筋を一層分かり易く理解することが出来ます。
その意味ではお能の場合は言葉もわかりづらく背景もないことから、余程理解している人以外お能という舞台芸術を単に見ているということになってしまいます。これらの解決策は見る回数を重ねるしか(お能千番:黙ってお能を千番見ましょう)言いようがないようです。さらに言葉が聞き取れるようになってくると今度は言葉の意味や、その場所の意味など更に理解を深めなければいけない事が次々出てきます。
私の場合、それでも出かけていくのは700年続く舞台が当時とほぼ変わらぬ姿で目の前で演じられている事実の重みです。確かに衣装は豪華になって来た様です。また演じられる時間も随分長くなったようです。舞台衣装の中には足利将軍や秀吉から賜ったものもあり、時にそれらを身に着けることもあるようです。このように、長い歴史の中で変わらず能舞台で演じられる姿そのものが貴重なことだと考えています。
また、私は更に理解を深めるために舞台に通い、それを補完するためにNHKの「FM能楽堂」とFM鎌倉の「お能への誘い」はよく聞きます。また、ユーチューブ等のお能は参考になることがたくさんあります。
早く舞台上の事柄が目の前に浮かぶようになりたいと考えています。