中心温度
元、食品包装を扱っていたものにとって中心温度といえば、レトルト食品の場合、殺菌する際パウチの上下、左右真ん中の温度を言います。それは一番温度が伝わりにくい場所を意味しています。この場合殺菌するバクテリアの死滅する温度を超えた温度、つまりレトルト食品であれば120℃、4分間殺菌することを言います。これによりボトリチス菌が死滅することになります。これは完全殺菌ではありますが、商業的な完全殺菌と言います。
切り花の場合の中心温度は、切り花を入れた段ボールケースの上下・左右の真ん中の温度を言うことになります。
切り花は自ら呼吸することで、段ボールケース内はどうしても温度が上がっていきます。例えばエチオピアから日本へ運ぶ飛行機の中では段ボールケースの外は10~12℃となっていますが、アジスアベバを出発して10時間ほどは段ボールの中心温度はピークに達しています。20℃を超えることになります。そしてその後下がり始め、成田到着時には10℃になっています。問題はこの20℃です。せっかく生産者の冷蔵庫、空港へ運ぶトラックが7℃であっても中心温度は一向に下がりません。
IFRLの提案はこうです。出荷前に真空予冷を通して中心温度を冷蔵庫と同じ温度にすることで切り花の品質を保たせること、ということになります。